1.3. BCP の特性

(1)経営戦略としての位置づけ
海外ではBCP を他社と差別化するための経営戦略と位置づける企業が数多く見受けられる。
つまり、BCP の水準を利害関係者である株主や取引先にアピールすることにより企業価値を向上させようとしているのである。

大規模な事故・災害・事件などが発生しても短期間に事業を復旧できる企業であるか否かは消費者や企業が今後取引先を選別する上での重要な要素になるということを先取りした取組みといえる。


また、BCP の大きな特性は、
目標復旧時間(RTO; Required Time Objective)」を定めることである。
この目標復旧時間は、事故・災害・事件などが発生した場合に、その発生時から基幹事業の再開までの企業が設定する「目標とする復旧時間」である。
テロなどの大災害が発生しても、BCP を導入している企業は、目標復旧時間内に製品・サービスの提供を再開することにより、他社より圧倒的優位に立つことができる。
事実、大規模な災害が発生した際のBCP の有無がマーケットシェアを大きく変化させた事例もあり、その意味でもBCP は経営戦略として位置づけなければならないのである。

なお、BCI の調査(2004 年実施)によると、世界企業がBCP を導入した理由は、「既存顧客からの要望(30%)」、「コーポレートガバナンスの一貫(24%)」、「保険会社からの要望(22%)」、「見込み顧客からの要望(21%)」と続いており、企業の事業及び経営戦略上にとって、BCP は重要な役割を果たしているといっても過言ではない。

<携帯端末メーカーの事例>

2000 年に発生した他企業での火災事故により、携帯端末用のコンピュータチップの供給が停止。
A社は事故後直ちにBCP を発動させ、代替のコンピュータチップメーカーの確保に努め、生産を継続、マーケットシェアを維持することができた。
ライバル会社であるZ 社は、対応が後手となってしまったため、代替のコンピュータチップメーカーの大多数をA 社に押さえられ、生産を継続することが不可能となり、結果としてマーケットシェアを大きく落とすこととなった。現在A 社とZ 社のマーケットシェアには大きな差が見られるが、BCP の有無もその一因となっているといわれている。
posted by MAXAVA at 16:00 |     −1.基本的考え方 | 更新情報をチェックする
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