株式会社高木商会様

顧客満足向上を追求し、*noMAXにより東京–大阪間をホットスタンバイ構成へ

包括的な災害リスク対策を策定。HAツールは「シンプルさ」を評価し採用

サプライチェーンの鎖を切らない、業務の遅滞を起こさない

エレクトロニクス専門商社の高木商会は、2005年4月に「災害リスク対策」への取り組みを開始し、同年7月にバックアップシステムの導入を決定、9月にマキシマム・アベイラビリティーのHAツール「*noMAX」の採用を決め、1年後の2006年9月に本稼働に入った。

同社の「災害リスク対策」について常務取締役の平井勝利氏は、「顧客満足度の向上に端を発している」と次のように説明する。「弊社が扱うエレクトロニクス製品の商流・情流・物流は、約1500社の仕入先メーカーと弊社、そして販売先の組み立てメーカー約2500社の計4000社を結ぶ広範なサプライチェーンの中で行われています。その中で弊社の使命は、お客様である組み立てメーカーの生産が計画通りに行われるよう部品を納期通りに納入し、情報の伝達・交換を滞りなく遂行することです。それがお客様の大きな満足につながりますが、そのためにはサプライチェーンの鎖がどこかで切れたり遅滞しないことが重要です。バックアップシステムの導入も、お客様満足度の向上の観点で実施しました」

この「顧客満足」を追求する同社の災害リスク対策は、非常に包括的である。バックアップシステムの構築はその全体構想の中の一部で、このほか社員・家族の「安否確認システム」の導入や社屋の地震対策、サーバールームの免震床の設置、緊急用食糧や毛布類をセットした「エマージェンシー・キット」の配布、役所の防災課や消防署と一体になった「災害対策訓練」、などを実施している。社屋の地震対策では、「本社のエントランス部分にあったガラス張りの壁を撤去し、X字の鉄骨梁を入れて強化壁とする」(岩品宏明 執行役員)といった徹底ぶりである。そのほか物流センターの移転なども実施している。

全業務アプリケーションを逐次バックアップ

バックアップシステムは、本社および基幹システムのある首都圏で甚大な災害が起きた場合を想定して構成を検討した。その結果、被災時の人的や作業の利便性を考慮し、高木システム 西日本営業部をバックアップセンターとし、東京と大阪間のホットスタンバイ形式で運用することとした。

HAツールは3製品を検討し、*noMAXを採用した。「*noMAXは、i5/OSのリモート・ジャーナル機能を使用するので作り込みが少なくて済むというシンプルさを高く評価しました。作り込みが少なければ、ユーザーをコントロールする領域を少なくでき、リカバリをスムースに行えます。また、使い勝手がよい点や、他製品と比べて安価であった点も評価して採用を決めました」と取締役 兼 執行役員 情報システム部責任者の青木明美氏は採用の理由を語る。

ただし、この決定時点では*noMAXは日本に上陸したばかりで、高木商会がファーストユーザーであった。「海外では豊富な導入実績があっても日本では皆無である点や、実際の災害時にシステムがどのような
振る舞いをするか読めない部分もあったため不安もありました。しかし、その点は十分にテストすることとし、採用時には製品のシンプルさのほうを買いました」(青木氏)。実際、*noMAX採用から本稼働まで約1年を要したが、そのうちの4カ月は入念なテストと検証に当てた。

システムは、東京の本番機(iSeries 810)と大阪のバックアップ機(System i5 520)を3Mbpsの広域Ethernetで結び、リプリケーションを逐次取る構成とした。本番機に障害が発生した場合は即座に切り替え、本番稼働させる形態だ。そのため、バックアップ機側にも本番機とほぼ同様の構成を持たせた。2重化の対象は、総務、経理、営業、販促、仕入、物流などのすべての業務アプリケーション。プログラム数は約2000本、ファイル数(物理ファイルメンバーおよび論理ファイルを含む)約1万2000本、「1日に約1.5GBのデータがバックアップされる」(システム構築を担当した株式会社高木システムの開発部 ITスペシャリスト、田口 徹氏)という規模である。

4カ月を費やし入念な検証

検証では、バックアップ中にやや重い業務アプリケーションを走行させてリプリケーションのパフォーマンスや本番機の負荷を見たり、本番機停止後の切り替え操作やシステムの動作確認など、実践を想定したさまざまなテストを実施した。しかし「操作性やパフォーマンスはまったく問題なかった」と田口氏は振り返る。問題となったのは、当初、本番機とバックアップ機の各OSのジャーナル関係のPTFレベルが一致しない(本番機はV5R2、バックアップ機は V5R3)ことによる不具合だったが、これも、「近々サポートが終了する本番機のOSをV5R3へ上げ、PTFレベルを一致させたことにより解決した」(田口氏)。また、V5R3からジャーナルとリモートジャーナルの機能が大幅に拡張されたことも安定稼働に繋がっている。

「災害リスク対策」で同社が今、今後の取り組み課題としているのは、「本社システムが被災した時に、本社業務をどこでどのように引き継ぐかという体制の整備」(岩品氏)だという。「バックアップシステムの構築により機械面の対策は整いましたが、例えば本社機能の仕入、経理などは、どのような権限を持つ者がどのような形で業務を再開するのか、その指揮系統や管理体制はどうするのかといった人間系のリスク対策の整備が残されています。これが今後の課題です」と岩品氏は言う。

すでに、大掛かりなバックアップシステムを構築し、そのほかにもきめ細かい対策を講じている同社だが、常務取締役の平井氏は「弊社の災害リスク対策はまだ途中段階。従業員が日常的に危機管理意識を持つようにするにはどうすべきかなど多くの課題が残されています」と厳しい。この包括的で徹底した取り組みが、東京̶大阪間をホットスタンバイで2重化するという綿密なHAシステムの形態に反映されていると見ることができる。

平井 勝利 氏: 常務取締役 企画担当
青木 明美 氏: 取締役 兼 執行役員情報システム部 責任者
岩品 宏明 氏: 執行役員企画部 部責任者
田口 徹 氏: 株式会社高木システム開発部 I

company profile
• 創業:1959年 • 本社:東京都大田区
• 資本金:2億9700万円
• 従業員:339名(パート90名含む)(2007年4月1日)
• 売上高:210億円(2007年3月期)
• 概要:メカトロニクス・エレクトロニクス関連機器および部品の
販売。電子機器、制御システムおよびアプリケーション・ソフトウェアの設計、製作。営業拠点は全国に25カ所。
http://www.takagishokai.co.jp/

(当事例紹介は、iMagazine 3号に掲載されたものです。)
(注:弊社ブランド名「*noMAX」は、2010年10月に「Maxava HA」に変更しました。)
posted by MAXAVA at 19:16 |     -国内事例 | 更新情報をチェックする
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